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1. Spring Overture
2. 海の抒情詩
3. 祈りのアリア
4. 叙情組曲 弦のみ編成 ver.
5. Sea of Wisdom~知恵を持つ海~
6. S A K U R A 抄
\3,000(税込み)
購入する長谷川武宏の新作『Spring Overture』や人気作『叙情組曲』をはじめ、近年定期演奏会で演奏された邦人作品を収録。C&Vオルケスタマンドリーノの演奏でお届けします。
長谷川武宏(1957-)は現代マンドリン音楽の作・編曲家。今回収録している全曲が長谷川武宏が音楽監督を務めるC&V Orchesta Mandolino(オルケスタマンドリーノ, 以下オルマン)による演奏である。
本曲は2018年4月15日オルマン第35回記念演奏会、そして作曲者長谷川武宏の還暦記念として書かれた。オルマンの演奏会は第19回定期演奏会(2000年)以降毎年4月に開催されており、"春"にご縁があることから「Spring Overture」を作曲したという。
長谷川作品の中で比較的短い作品となっている。2/4拍子ハ長調と軽快且つ純粋な響きから始まり、目まぐるしく景色が変わる。中間部の情感溢れる旋律は今の長谷川であるからかけたものだと思う。最後は冒頭に戻り終始希望に満ちた作品となっている。
待ち遠しかった春になり、桜も満開咲き誇りました。何度この時期を経験しても本当嬉しい春の時期です。 Spring… 一般的には「春」という意味がありますが、 この言葉本当多く解釈るあるようです。泉、跳躍、源原動力そして始まり …。長い冬を終え、春待ち望んでいた生きとしけるもの達が動き出す、まさに春という言葉は希望満ちた素晴らしい言葉ではないでしょうか。 35 回という記念の演奏会を迎え、これを始まりとし、またこの演奏会原動力、源としての跳躍、さらなる発展をして欲しい … そんな思いからこの曲を作曲致しました。(作曲者記)
本曲は、幾度となく訪れた南紀の、夏の海の様々な記憶を織り込んで、一つの抒情詩として作り上げました。どうやら私にとって夏の海は、どちらかというと陽性の記憶に彩られているようです。
曲はマンドラの、歌うような、語りかけるようなsoloに始まり、想いの向くままに展開します。いわゆる主題らしきものもあるのですが、むしろ自由に謳いあげて、様々な海の記憶を描いていきます。
クライマックスでは、それまで満を持していた4本のタムが現れ、歓び、叫び、踊り、曲を彩っていきます。それはまるで、人の感覚をはるかに超越した大きな波と、どこまでも続く広さと、果てしない深さを思い知らされるように。
そして静寂。
また明日も億千万続いてきたドラマが繰り返されて行くのです。
2011年8月にリリース。同年12月に和歌山大学により初演。(作曲者記より抜粋)
邦人マンドリン作曲家と言えば二橋潤一(1950-)は外してはならない存在だ。東京藝術大学を経てフランス国立高等学校音楽・舞踊学校に留学というマンドリン作曲家としては珍しい経歴をもつ。オルマンとの付き合いは長く、かれこれ第9回定期演奏会(1989年)でマンドリンオーケストラの為の組曲を取り上げて以来、30年近く二橋の作品を取り上げてでいる。また本作品もオルマン第30回定期演奏会(2013年)の為に委嘱された。
二橋の作品はマンドリンの単打奏法を生かした曲が多く、特に本曲では2ndマンドリン・ギターが難解で、技術的にも音楽的にも非常に複雑になっている。出口が見えない闇に一本の光が差す。そんな現代社会に訴えた作品となっている。
世界には未曾有の災害や多く紛争、事件、事故で無辜の人たち垢な子供が犠牲となり尊い命を失っています。この混乱の時代に祈る心の大切さを思い「祈りのアリア」を作曲いたしました。曲の前半で悲しみ、不安、怒りが表され、3声による嘆きのカノンを経て最後の祈りのアリアへとつながって行きます。お聴きくださる皆様にも私の祈りの気持ちが伝わりますことを願っております。(作曲者記)
本曲は、ARTE MANDOLINISTICA によって初演され、その後木管、打楽器を加えた改訂版、演奏時間を若干短縮した3つのヴァージョンが存在します。
《叙情》とは『感情や情緒を主観的に述べたもの』といった意味があり、広い大きなイメージとして私的な懐かしい故郷の思い出、懐かしい時代への思いというイメージを基本に作曲しています。急~緩~急の3つの部分、そして回想部を加えた4つから構成された組曲となっていますが、通常の組曲とは違い、全て続けて演奏するようになっています。(独立して演奏することも可能です)
単打とトレモロ、ダイナミクスの差、マルカートとテヌート、三和音と四和音、アクセントがずれて生じるポリリズムなど、コントラストが大きなコンセプトとなっており、全体的にポリフォニック的で色彩感をより感じられるよう考えています。様々な和音形態が現れるため、音楽的な一貫性に欠けるという危険性をもっているのですが、自然に調和し落ち着いて流れるように、ということに細心の注意をはらっています。
10分未満という、短い中にちょっと欲張りな程、たくさんの物を詰め込んでしまった!そんなわがままな曲かもしれません。願わくは、お聴きになる方々それぞれの、いろいろな思い出、そして色や、匂いを感じてもらえたら、この上ない幸せです。(第34回定期演奏会より)
2007年和歌山県岩出第二中学校によって委嘱され、和歌山県吹奏楽コンクールにて初演された作品です。作者が和歌山の海を実際に見て、特に印象に残った《白浜海岸》と《三段壁(さんだんべき)》をイメージし、さらに自身の思い描く「海」を織り交ぜて書かれています。
「朝の海」の静かな情景から始まり、カモメの鳴き声が響くなか、中低音から次第に壮大かつ力強いメインテーマが現れます。優しい母なる海のようなアルトサックスのソロ(本編曲ではマンドラ)を経て、《三段壁》を描いた荒々しい早部では、海の力強さと美しさの2面性を交互に表しています。その2つは混ざり合う事なく、8分音符の一打で遮断されたのち、メインテーマが再現され、スネアの厳格なリズムに導かれて「海の持つ力(知恵)」を表現し、曲は最高潮に盛り上がり幕を閉じます。(作曲者記より一部改変)
同じ音を鳴らしてもマンドリンと金管楽器では圧倒的な支配感の差が出るため、改編にはテクニックが必要になってきます。更に打楽器という異質の存在である楽器とのバランスなど、原曲の雰囲気等を出来るだけ忠実に再現出来るように細心の配慮を致しました。
本曲の一番の魅力は、“わかり易い旋律”だと思います。『委嘱元の中学校の学生さん達が全身全霊を込めて演奏出来るように』そんな作曲者の思いが手に取るようにわかります。わかり易く、且つ感動的なモティーフ、明快なリズム、とても和声的でありながら、非和声音を効果的に織り込みながら、心地良いクリアーな透明感を持たせた和声、という要素が三位一体となった素晴らしい作品といえるでしょう。(長谷川 武宏)
本曲は和歌山大学マンドリンクラブ第60周年定期演奏会の為に委嘱され、作曲したものです。
日本には『四季』という素晴らしい時節の移り変わりがあり、その季節特有の色があり、数百種もの日本の伝統色として美しい名称とともに存在しています。ずっと繰り返され、移り行く季節、そして人も同じ様に繰り返し年を重ね、伝統や思いを継承し続けてゆきます。学び舎にある桜の木はそれをずっと見守り続け、季節を、そして年の過ぎ行く様を、また、成長し旅立って行く多くの学生たちを暖かく、時に厳しく見続けてきたのではないでしょうか。
本曲はその季節や色を描写するものではありませんが、その積み重なって行く歴史や、伝統の素晴らしさ、 重さと言う全ての思いを、その四季、そして刻の移り変わりに当てはめ、そして季節特有の色に重ねて…。そのような想いで作曲を進めてみました。
1.萌木色の春
春の色《萌木色》春の萌え出る若葉のような黄緑色のことを言い、芽生える命の喜びを感じさせる春の色として愛され、またエネルギッシュな若さの象徴とも言われています。
2.柑子色の風
夏の色《柑子色》和歌山でも有名なミカンの原種でもある「柑子」の実のような色に由来していると言われています。その鮮やかな黄赤は、元気いっぱいな太陽そのものです。
3.朽葉色の秋
秋の色《朽葉色》地面に散った落ち葉の色を平安時代などでは、朽葉色と表現したようです。明るく元気な夏が終わり、冬へと向かう静けさ、侘しさを表す叙情的でロマンティックな色名です。
4.薄鈍色の刻 ~ Intermezzo ~ 5.S A K U R A 色の穹
冬の色《薄鈍色》秋の色でもある鈍色と同じように喪服や僧服などに用いられた凶色の一つで、淡い青みの灰色です。どんよりと曇った寒い日。でも、その厳しく辛い冬の寒さがあるからこそ、春の喜びも大きくなります。そして、その厳しさの反面、冬の夜空は澄みいり、素晴らしい星の数々も見ることができ ます。そして…満開の桜、春の色《桜色》長く厳しかった冬を経て、生きとし生けるもの全てが歓喜に沸き立ちます。穹は桜色に染まり、全ての始まりのように躍動し始めます。(第34回定期演奏会より)
1. Graffiti of Music for 5 Players
2. Graffiti of Music Ⅲ for Mandolin Ensemble
3. Divertimento for Mandolin Orchestra
4. Divertimento Ⅱ for Mandolin Orchestra
5. 古風な舞曲とアリアカンタービレ
\3,000(税込み)
購入する二作目となる『長谷川武宏作品集』アンサンブルを中心として書き下ろされた『Graffiti of Music』をC&Vオルケスタマンドリーノによる演奏でお届けします。様々なバリエーションに富んだ演奏をお楽しみください。
本曲はラスカルマンドリンカルテットの委嘱により作曲したものです。私のマンドリン合奏の作品は、編成、規模共に大きな作品が多いのですが、小編成の合奏、そして室内楽的な作品を書きたいという、強い思いから、作曲致しました。曲名であるGraffitiOfMusic、直訳すれば音楽の落書きとでもいうのでしようか、その通リ思いつ<ままにいくつかのスケッチをもとにしています。形式的には3楽章形式の室内楽に良くみられる急~暖~急の3つのMove.からなリ、2楽章のみ、ElegyそしてLallabyという副題が添えられています。1、3楽章共に舞曲的な性格が強いもので、単純なリズムと変拍子、極めて和声的な響きと多調を代表とする複雑な響き、といったコントラストがこの作品の基本になっています。技術的には、高度なテクニックを必要とされますが、全体を通して気楽に楽しんでもらえるように分かり易いモチーフそして構成となっています。大きな壁に描かれた様々な落書きを見て、色々な思いをはせるように、何かを感じてもらえたらこのうえない喜びです。本CDの演奏は、ギターのみ2人とした6人によるアンサンブルでのものです。
本曲は副題にあるように、ダンス(舞曲)を基本にした組曲形式になっています。古典的な舞曲から、現代音楽の代表的なジャンルでもあるMinimal的なもの、ブルーノート的なものなど、時代、そしてジャンルといった形にとらわれない自由な思いで書き上げました。まずは、弾いて頂くメンバーに楽しんで貰いたい、そして壁に書かれた落書きを色々な発想、想いで見つめる、そんなイメージで本曲を感じて頂けたらこの上ない喜びです。ここ数年程、私の作品は形式、調性的にも、どちらかと言えば古典的な色合いを意識して作曲していますが、本曲もその延長線上にあるものではありますが、全体を通して、古典的→現代的という繰リ返しになっています。マンドリンのアンサンブルは他の楽器に比べますと、やや音色感の薄いアンサンブルでもあリますが、雰囲気で力バーし、楽しい演奏にして頂ければ嬉しく思います。本曲は2008年3月16日Excelix Mandolin Ensambleによって委嘱初演されたものです。
1. Old Danseand Foxtrot
1/2拍子の古典的な、明るいガボット風の舞曲と古典的なジャズの旋法によるFoxtrot風の舞曲を基本に構成されています。
2. Dryade Waltz
シャンソン風のワルツです。Graffitiの1番でもワルツを書きましたがその延長線上にあるものです。新しい作品のワルツによく見られるように、単純な3拍子ではなく、アクセント的な2拍子を織り込むことによって動きの多様性や揺れを意識しています。流れるようなメロディーとしつとりとしたオブリガートを意識しています。
3. Aria cantabile
数年前に、PETER WARLOCKというイギリスの作曲家の作品でCapriol Suiteという素晴らしい曲に出会いました。エリザベス朝時代の…という古典的な舞曲を、現代の作曲家が新しい息吹を吹き込んだ、というイメージの組曲です。その5曲目のアリアが特に素晴らしく、強烈な感動を覚えました。その思いで作った曲です。和声的にも同じような手法を用い、古き良き時代の歌と新しい息吹、その融合をテーマにしています。
4. Minimal
この曲で主になる象徴的な不協和音に始まリ、Fugatoを経て一転、和声的でメロディックな舞曲が現れます。その後minimalmusicの手法による中間部を挟み、メロディックな舞曲が再現され曲を閉じます。本作品中で最も難易度の高い、変拍子による舞曲です。
本曲は2000年1月にラスカルマンドリンカルテツトにより委嘱初演された、Graffti of Music for 5 Players の改訂版です。元の3楽章に新たに楽章を加え、4楽章形式となリました。初演版の2つの舞曲、ElegyそしてLallabyに新しく楽章が追加されたわけですが、Waltzの副題がつけらえています。原曲であるGraffiti of Music、直訳すれば音楽の落書きとでもいうのでしようか、その通り思いつくままにいくつかのスケッチをもとに作曲しました。Graffitiは、5人の奏者の為の室内楽的な響きをめざした作品ですが、今回の改作によってContrabassを加え、更に和音に手を加えることにより、ポリフオニック的な要素を強く打ち出しています。
本曲は、Graffiti of Music Ⅲ のマンドリン合奏版です。編成も、木管6部、Mn6部、打楽器という、大きな編成になっています。
執筆中
長谷川武宏を代表するオリジナル作品「風の三部作」をC&Vオルケスタマンドリーノの演奏でお届け致します。ボーナストラックとして『風の組曲 アンサンブル ver.』を収録。
本曲は Orchesta Mandolino 第20回定期演奏会で、私自身の指揮で初演されました。「風の記憶」、「風の力ンティレーナ」と共に、風の三部作として作曲したものです。本曲は、曲名である『風』の描写の為の音楽ではな<、作曲上のイメージとして、風の存在がそこにはありました。和声的には通常の4種類からなるトライアド(3音構成の三和音)を極力回避し、4度、5度そして、その組み合わせによって生じる2度の音程を核としています。また、調性感の離脱を図るために旋法的な色合をかなり強く意識しています。「風の記憶」と同様、私の作品としてはめずらしく、和的(日本的?)な感じのする作品です。1、3楽章は共に、私の作品中でも、かなり難易度が高い曲といえます。
1楽章・Dance for the Wind 風の舞曲 Allegro fuocosamente
5/8拍子を基本とした変拍子による(いわゆるトリッキーな)舞曲と、Legatoなモティーフとの対比をテーマにしています。
2楽章・An Elegy 風の挽歌 Largo con melancolicamente
風吹き荒む、北の海を思わせるような、厳しい表情のモティーフと素朴な童歌のような優しさの唄の対比がテーマになっています。
3楽章・A Locus of The Wind 風の軌跡 Allegro con agitato
2/4拍子を基本とした、早いパッセージによる舞曲で、和太鼓のリィズムを思わせるような激しいストローク、そして哀愁を感じさせるモティーフとのコントラストをテーマにしています。
Cantilenaとは器楽の場合は抒情的小品であリ、中世などにおいては、漠然とした、モノフオ二ーやポリフオ二ーの世俗的声楽曲を指すものであったそうです。風の三部作の、他の2作品が作風として、三音構成の和音(トライアド)を基本とした和声を極力回避し、旋法的な色合いを強く意識していたのに対し、本曲では、極めて和声的な色合いを強く出すことによって、他の曲とのコントラストをつけています。曲名のように、モティーフも抒情的な小品で、緩~急~緩の三つの部分から構成されています。<風>という何者にも束縛される事のない自由な存在に対しての、思い、憧れ、などがそこにはあり、イメージを膨らませてゆきました。
本曲は、大阪、浪花マンドリン倶楽部結成10周年記念定期演奏会に於いて、委嘱初演されました。このアルバムの演奏は、初演版に木管5部を加えた改訂版です。極めて和声的な抒情的小品である「Cantilena」同様、叙情的なモティーフからなる6/8拍子の舞曲、「風の組曲」のように三音構成の和音(トライアド)を基本とする和声を極力回避した旋法的な色合いを強くだした2/4拍子の土俗的な舞曲、この全く異質な2つの舞曲を核とし、さらに、ポリフォニックなレントが加わリそれらのコントラストを基本に構成されています。
<風>という何者にも束縛される事のない自由な存在に対しての、思い、憧れ、などがそこにはあり、イメージを膨らませてゆきました。この曲をお聴きくださいます全ての人が、色々なイメージを膨らませてお聴きくださればこの上ない喜びです。
すがすがしい草原の風、
力強い大空の風、様々な風…。
どこから来て、そして何処へ行くのだろう?
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